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霊的人間の誕生を生む経済社会『下流志向』by内田樹 |
経済効率を求め、 悉く性急になった世の中で 学習ほど効率の悪いものはない。 何かを学び、理解し、身につくには、 待ち時間が必要だ。
それをやって何の得になるのか?
それを理解させなければ 子どもたちは学ばないし、 働こうともしないだろう。
というようなことで、 講演録から起こしているからだろうか、 読みやすく、へーなるほどなるほど、 と納得させられる論理が展開される。
まあ、もっとも それは比較的恵まれた状況下にいる 下流志向の現状であって、 一概にはいえないよなぁとも思う。 もちろんこうした状況も大いに問題。 だが、現実は、さらに複雑で、 問題は、努力したいと願っても できない社会になりつつある、 ということだろう。
観察すること、 見せること、 そして、待つ、こと。
生き物を育てる上で、 とりわけ大切な三本の柱。 もし、あなたに小さな子どもがいるなら、 この本は読んでおくべきかもしれない。
そして、この本を読むときは 決して途中でやめないでいただきたい。 大切な話が、最後の最後に出てくるから。
「師匠を持たないものは敗れる」
『先生はえらい』と 合わせて読むと、 さらに響く。
そして、暗示として、 これからの世の中、 人々の時間の捉え方が 変わってくる、 「霊的な感覚」を 取り入れるようになるだろう と述べている。
「霊的な感覚とは、 いわば最大時間モデルである。 無時間モデルの特徴が 匿名性と非身体性だとすると 生物としての本能が ぎりぎりのところで 『そういうのは嫌だ』と 悲鳴をあげる」
昨今のスピリチュアルブームも その流れのひとつなのかもしれない。
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誤解こそ学び『先生はえらい』by内田樹 |
内田樹氏は神戸女学院大学の教授。 著書多数で、なるほど、たしかに、 の頷きが、今もっとも多い著者ではないか。 武道をなさっているためか、 机の上の言葉ではない、 身体の直感が感じられ、 それがさらに、 なるほど感を増しているように思う。
この本は、内田氏の師弟論である。
学び、とは、誤解からはじまる。
学ぶものは、勝手に誤解して、 勝手にあこがれて、勝手に読み取って、 勝手に学んで、勝手に裏切られる。
夏目漱石の、こころ、の先生然り。 そして、恋愛然り。
この本はプリマー新書という 筑摩書房が中高校生向きに出した 新書のシリーズのなかの一冊だ。
だが、学びの只中にいるものには、 この本の本当のところはつかめまい。
高校生が了解するのは数年後、 ひょっとすると、 20年くらい経ってからに なるんじゃないか。
むしろ、大人のみなさんが 読むべき本です。 いつか立派な勘違いの対象に なれるよう。 えらい先生に、ね。
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